SACD 10 Reference SACD Player(リファレンスSACDプレーヤー)
ディスクプレーヤー開発の集大成
独自のSACD-3銘菓エンジン、ディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」、
新生代のHDAM回路を搭載。CDプレーヤーのオリジネーターであるマランツの技術のすべてを投入
■Key Features
- ・マランツオリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」の最新バージョン
D/A独自処理のすべてを自社開発ルゴリズム、パラメーターで行うことで理想的なサウンドを実現
- ・オリジナル・メカエンジン「SACDM-3」
自社開発の高性能メカエンジンに、新デザインのローダーパネルおよびアルミニウム削り出しのメカベースを追加
- ・最新型HDAM+HDAM-SA3搭載のフルバランス・アナログオーディオ回路
最新のHDAMと最高グレードのパーツを奢ったフルバランス&フルディスクリート・アナログオーディオ回路
- ・アナログ/デジタル完全独立電源回路
アナログ/デジタルそれぞれに専用のトロイダルトランスを搭載した完全独立電源回路
- ・プレミアムな質感と高音質を両立させるエクステリア・デザイン&コンストラクション
肉厚のアルミ削り出しパネル、非磁性体のアルミニウム製トップカバー、3層構造の底板、銅メッキシャーシ
- ・3段階のゲイン切り替え機能付き電流帰還型ヘッドフォンアンプ
HDAM-SA3+ダイヤモンドバッファーによるフルディスクリート構成の高音質ヘッドフォンアンプ
特徴
■SACD10 - ディスクプレーヤー開発の集大成
マランツは、アンプメーカーとして産声を上げ、高い評価を獲得してきたブランドですが、一方でCDプレーヤー、そしてSACDプレーヤーを世界に先駆けて発表するなど、ディスクプレーヤーの開発においても大きな実績を残しています。そして、このSACD 10には、CDプレーヤーのオリジネーターの一つであるマランツが40年以上にわたって磨き上げてきた技術とノウハウ、そのすべてが投入されています。独自のSACDM-3メカエンジン、ディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」、新世代のHDAM回路によって実現されたそのパフォーマンスは、新しいフラッグシップSACDプレーヤーにふさわしいものであり、後に続くすべてのディスクプレーヤーのベンチマークとなるものです。
ステレオ・プリメインアンプ「MODEL 30」とネットワークSACDプレーヤー「SACD 30n」を嚆矢として、2020年にスタートしたマランツプロダクトのリデザインを締めくくるにふさわしい美しさと堅牢さを兼ね備える筐体に収められたSACD 10は、卓越したサウンドだけにとどまらない最高のリスニング・エクスペリエンスをお届けします。
■マランツオリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering」の最新バージョン
マランツの理想のサウンドを追求するために、完全オリジナルのディスクリートD/Aコンバーター「Marantz Musical Mastering(MMM)」を搭載。MMMは「SA-7S1」や「SA-11S3」で使用されたオリジナルデジタルフィルターをさらに進化させた「MMM-Stream」とDSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」で構成されています。 MMM-Streamは、独自のアルゴリズムによってPCM信号を11.2 MHz/1bit DSDデータに変換し、後段のMMM-Conversionに送り出します。その過程において行われるオーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣモジュレーター、ノイズシェーパー、ディザー、レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズム、パラメーターで行うことにより、理想的なサウンドを実現しています。また、デジタルフィルター、ノイズシェーパーディザー、ディザーについてはユーザーによる設定の切り替えができ、好みに合わせて音色を調整することができます。
MMM-ConversionはMMM-Streamから入力される1bit DSD信号をアナログFIRフィルターによってダイレクトにD/A変換します。極めてシンプルな回路でD/A変換を行うことによって原音に忠実なアナログ信号を得ることができます。 ディスクリート構成の大きなメリットの一つが、MMM-Streamをデジタル基板に、MMM-Conversionをアナログ基板にレイアウトできることです。そして、その間にデジタル・アイソレーション回路を挿入することにより、デジタル/アナログステージの徹底的な分離を実現しています。さらに回路規模や音質に大きく影響するパーツの選定も自由に行うことができます。SACD 10では、Dフリップフロップと呼ばれるバッファーICを、従来のモデルで使用されていた8chのIC 1個から1chのIC 8個に変更しました。これにより出力電流が8mAから24mAに増え、強力に信号をドライブ。また、抵抗値が1/3となり、S/N比をさらに向上させることに成功しました。
■オリジナル・メカエンジン「SACDM-3」
ディスクドライブには、自社開発の高音質オリジナル・メカエンジン「SACDM-3」を搭載。ピックアップの制御とデコードを行う回路を最短、最小化することにより余分な電流やノイズの発生を抑えています。また、基板上のパーツも吟味し、サウンドマスターによるサウンドチューニングが施されています。高剛性なスチールシャーシとアルミダイキャストトレーにより、ディスクの回転によって発生する振動を効果的に抑制し、データの読み取り精度を向上。アルミ押し出し材を使用したメカベースで3重構造のボトムシャーシにしっかりと固定することにより優れた制振性を実現し、ディスクの回転により発生する振動の周辺回路への影響を抑えるとともに、外部振動による影響も受けにくい構造としています。読み込み精度向上の結果、サーボへの負荷やエラー訂正処理を軽減し、高音質化に貢献します。USB-B、同軸デジタルまたは光デジタル入力が選択されたときには、メカエンジンへの電源供給を停止し高音質化を図っています。
■超低位相雑音クリスタルクロック
高精度なD/A変換のために、クロック回路に超低位相雑音クリスタルを搭載しています。これは、SA-10のクロックに比較して位相ノイズが15dB改善されたものです。1bit DACであるMMMはジッターの影響に敏感ですが、超低位相ノイズクロックを使用することで、ジッターによる音質への悪影響を排除し、明瞭な定位と見通しの良い空間表現を実現しています。
■最新型HDAM+HDAM-SA3搭載のフルバランス・アナログオーディオ回路
MMM-Stream以降のアナログステージは、ハイスピードで情報量豊かなサウンドのために、フルバランス・ディファレンシャル構成のオーディオ回路を採用しています。マランツ独自の高速アンプモジュールHDAMおよびHDAM-SA3の最新型を駆使し、すべてをディスクリート回路で構成。純銅製フィルムを用いた高音質コンデンサーやメルフ抵抗など、パーツも厳選し、一切の妥協のないアナログオーディオ回路を実現しました。
MMM-Streamからの出力を受ける初段のユニティゲインバッファーと二段目のディファレンシャルアンプには電圧帰還型回路を採用し、それぞれにHDAMとHDAM-SA3を使用しています。次段の回路を強力にドライブするために、低インピーダンス出力であることが求められるユニティゲインバッファーには、新型のHDAMは最良のソリューションとなります。SACD 10に搭載される最新型のHDAMは、入力にJFETカスコードデバイスを追加することで、さらなる低歪み化を実現しています。トランジスタについても2素子が1パッケージ化された2 in 1パッケージのトランジスタを用いることで動作の安定性を向上させています。HDAM-SA3については、回路構成は従来と同一ながら、厳選された低ノイズ、低歪みのトランジスタを使用することでこれまで以上の高音質化を果たしています。さらに、左右チャンネル間の干渉および、MMM-Conversionからのスイッチングノイズの影響を排除するために、銅メッキ鋼板によるシールドを設け、透明感が高く、広大な音場表現を実現しています。
■アナログ/デジタル完全独立電源回路
クリーンかつハイスピード、そして余裕のある電源供給によって、常に安定した音楽再生を行うために、アナログオーディオ用電源回路とデジタルオーディオ用電源回路を完全に独立させた贅沢な回路構成を採用。それぞれに専用のトロイダルトランスおよびカスタム・ブロックコンデンサーを搭載しており、消費される電流の変動に左右されることなく安定した電源供給が可能です。電源回路をトランスから完全に分けることにより、電源トランスを介したアナログオーディオ回路へのノイズの流入も排除しています。それぞれのトロイダルトランスは銅メッキされたシールドケースによってカバーされており、不要輻射を抑え、外部からのノイズの飛び込みも排除されています。アナログオーディオ用、デジタルオーディオ用それぞれに、サウンドマスターと音質担当エンジニアがサプライヤーと試作と試聴を繰り返して共同開発した、マランツ専用のカスタム・ブロックコンデンサー(10,000μF×2)を搭載しており、クリーンかつハイスピードな電源供給を実現しています。
■3段階のゲイン切り替え機能付き電流帰還型ヘッドフォンアンプ
SACD 10は、電流帰還型のフルディスクリート・ヘッドフォンアンプを搭載しています。低インピーダンスのヘッドフォンであっても本来の性能を引き出すために出力インピーダンスを下げることに注力して開発され、HDAM-SA3とマランツの従来製品で定評のあるダイヤモンドバッファーを組み合わせた回路構成を採用しています。オペアンプを使用しないフルディスクリート構成とすることにより、きめ細かな音質チューニングを行っています。また、3段階のゲイン切り替え機能により、接続するヘッドフォンのインピーダンス、能率に合わせて最適なゲインに設定することができます。
■プレミアムな質感と高音質を両立させるエクステリア・デザイン
マランツサウンドの特徴の一つである、どこまでも広がるようなナチュラルな空間表現を実現するために、非磁性体のアルミニウムトップカバーを採用。12mmの厚さを持ち、エンクロージャー全体の高剛性化に貢献しています。
立体的なパターンが美しく刻まれたフロントパネルは、一塊の巨大なアルミニウム・ブロックを切削加工して作られたものです。その厚みは最大45mmに達するもので、これはハイエンド・オーディオコンポーネントとしての審美性を高めるだけではなく、振動が音声信号に与える悪影響を低減することにも大きく貢献しています。サイドカバーも同様に最大15.8mm厚のアルミニウム製として、トップカバーおよびフロントパネルとのマッチングを図るとともに、マランツのプレミアム製品の伝統に倣い、正面および側面からはネジが見えないようデザインされています。
メインシャーシには1.2mm厚の銅メッキ鋼板が用いられており、メカエンジン、デジタルオーディオ回路、アナログオーディオ回路、電源回路をそれぞれ専用のスペースに隔離することで、回路間の干渉を排除しています。1.2mmのメインシャーシに3.2mmと1.2mmのボトムプレートを追加した3層構造とすることにより、圧倒的な高剛性を実現。アルミニウムの無垢材と銅板を組み合わせたハイブリッド型のインシュレーターと合わせ、30kgを超える大質量を堅牢な構造で支えています。
アンバランス出力端子には純銅削り出しのピンジャックを採用しています。一般的な端子に用いられる真鍮に比べて硬度が低く、機械加工の難しい純銅のブロックから熟練工が一つ一つ手作業で切削加工して生産される特注品です。銅は、銀に次ぐ極めて高い電気導電性を持ち、再生音に力強さと安定感をもたらします。表面処理はリスニングテストの結果、一般的に用いられるニッケル下地+金メッキの2層ではなく、厚みのある1層のニッケルメッキを採用しています。同軸デジタル入力/出力端子には、真鍮削り出しの金メッキ端子が採用されています。
■11.2MHz DSD & 384kHz/32bit PCM対応USB-DAC搭載
最大11.2 MHz DSDと384 kHz / 32 bit PCMの入力に対応するUSB-DAC機能を搭載。DSDの再生方式は、ASIOドライバー(Windowsのみ)によるネイティブ再生および、DoP(DSD Audio over PCM Frames)の両方式に対応しています。また、PC側のジッターを多く含んだクロックを使用せず、SACD 10側の高品位なマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードにも対応しています。USB-B入力には、接続したPCから流入する高周波ノイズによる音質への悪影響を排除するために、アイソレーション回路を搭載しています。ICチップ上に組み込まれたトランス・コイルを介して磁気によりデータ転送を行うため、入力側と出力側は電気的に絶縁された状態になります。さらに、リレーによってグラウンドも分離させることでノイズの回り込みを防止し、透明感が高く、安定したサウンドを実現しています。
※Windows® PCでは、あらかじめマランツのウェブサイトから専用ドライバーをダウンロードしてインストールする必要があります。Mac OSではドライバーは不要です。
- ・サンプリング周波数352.8kHz/384kHz のファイルをダウンサンプリングせずに再生する場合は、ASIO(Audio Stream Input Output)ドライバーに対応したプレーヤーソフトが必要です。
- ・対応OS: Windows 10およびWindows 11、Mac OS 13および14
- ・USB 2.0:USB High speed / USB Audio Class Ver. 2.0
■USB-B/同軸デジタル/光デジタル入力 対応フォーマット
入力端子 |
フォーマット |
サンプリング周波数 |
ビットレングス |
USB-B |
DSD |
2.8 / 5.6 / 11.2 MHz |
1 bit |
PCM |
44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 /
192 / 352.8 / 384 kHz |
16 / 24 / 32 bit |
同軸 |
PCM |
32 /44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 / 192 kHz |
16 / 24 bit |
光 |
PCM |
32 /44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 / 192 kHz |
16 / 24 bit |
■USBメモリー再生機能
USBメモリーに保存したDSDファイルやハイレゾ音源の再生に対応しています。DSDファイルは5.6MHzまで、PCM系ファイルは192kHz/24bitまで再生することができます。
フォーマット |
サンプリング周波数 |
ビットレート |
ビットレングス |
拡張子 |
DSD |
2.8/5.6MHz |
― |
1bit |
.dsf/dff |
WAV |
32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz |
― |
16/24bit |
.wav |
FLAC |
44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz |
― |
16/24bit |
.flac |
ALAC |
44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz |
― |
16/24bit |
.m4a |
AIFF |
44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz |
― |
16 / 24 bit |
.aif/aiff |
MP3 |
32/44.1/48kHz |
32 – 320kbps |
― |
.mp3 |
WMA |
32/44.1/48kHz |
48 – 320kbps |
― |
wma |
AAC |
32/44.1/48kHz |
16 – 320kbps |
― |
.aac/.m4a |
※著作権保護のないファイルのみ再生できます。※FAT16またはFAT32フォーマットのUSBメモリーに対応しています。※すべてのUSBメモリーに対して、動作及び電源の供給を保証するものではありません。USB接続タイプのポータブルHDDで、ACアダプターを接続して電源が供給できるタイプのものを使用する場合は、ACアダプターのご使用をおすすめします。
■その他の特徴
データディスク再生対応/リピート、ランダム、プログラム再生対応/高精細なOLEDディスプレイ搭載/ディスプレイタイマー&ディスプレイオフ/アンプの操作も可能なリモコン/リモートコントロール入出力(RC-5)/オートスタンバイ機能(15分)/着脱式電源コート
仕様説明
■SACD
オーディオ特性 |
- 再生周波数範囲:2 Hz - 100 kHz
- 再生周波数特性:2 Hz - 50 kHz(-3 dB)
- SN比:118 dB(可聴帯域)
- ダイナミックレンジ:112 dB(可聴帯域)
- 高調波歪率:0.0004 %(1kHz、可聴帯域)
|
出力レベル |
- アンバランス出力:2.5 V(10 kΩ)
- アンバランス出力:5.0 V(10 kΩ)
- ヘッドフォン出力:130 mW / 32 Ω(可変最大)
|
■CD
オーディオ特性 |
- 再生周波数範囲:2 Hz - 20 kHz
- 再生周波数特性:2 Hz - 20 kHz(±1 dB)
- SN比:116 dB
- ダイナミックレンジ:98 dB
- 高調波歪率:0.0015 %(可聴帯域)
|
出力レベル |
- アンバランス出力:2.0 V(10 kΩ)
- アンバランス出力:4.0 V(10 kΩ)
- ヘッドフォン出力:130 mW / 32 Ω(可変最大)
|
■入出力端子
音声出力端子 |
アナログアンバランス × 1、アナログアンバランス × 1、同軸デジタル × 1、光デジタル × 1、ヘッドフォン × 1 |
音声入力端子 |
同軸デジタル × 1、光デジタル × 1、USB-A × 1、USB-B × 1 |
その他入出力端子 |
フラッシャー入力 × 1、マランツリモートバス(RC-5)入出力 × 1 |
■総合
電源 |
AC 100V、50 / 60 Hz |
消費電力 |
55 W |
待機電力 |
0.3W以下 |
外形寸法 |
W 440 x H 192 x D 442 mm |
質量 |
33.0 kg |
付属品 |
かんたんスタートガイド、取扱説明書、保証書、リモコン(RC004PMND)、単4形乾電池 × 2、オーディオケーブル、リモート接続ケーブル、電源コード |
メーカー保証 |
5年 |
※製品の仕様、および外観は、改良のため予告なく変更される場合があります。