P-3とM-3を1筐体に妥協なく凝縮したインテグレーテッドアンプ
特徴
■左右チャンネルGND完全分離
プリアンプP-3で達成したGND完全分離テクノロジーを、パワーアンプ回路を有するA-3に応用しました。本来、大電流を扱うパワーアンプのGNDをどのように筐体に接地させるかは設計の要であり、GND非接地の前例はありません。しかしながら、シンプルな無帰還回路、最適化されたアートワーク設計、大電流ループの最小化、インダクタンス成分の排除、等々により、パワーアンプの筐体非接地を達成し、これにより左右GND完全分離インテグレーテッドアンプリファイアA-3が誕生しました。
さらに、セレクター、ボリューム、保護回路等の各リレーのコントロール信号をフォトカプラで分離する事で、静電容量や誘導成分まで考慮したGND完全分離を実現しています。三次元に広がる音場空間と開放感は、インテグレーテッドアンプの新境地です。
■シングルプッシュプル出力段
出力段には、M-3で採用したキャンタイプ・バイポーラトランジスタによるシングルプッシュプルSEPP回路を採用。超低域から超高域まで正しいタイミングによる滲みの無い音楽再生を実現しました。心を震わせる音楽再生は、微小時間軸精度を壊さないシングルプッシュプルの賜物です。
■超強力ドライバー&プリドライバーによる4段ダーリントン構成
キャンタイプトランジスタを軽々とドライブするために、超強力なTO3タイプトランジスタをドライバーとさらにプリドライバーにまで採用。大電流時のhfe変動をものともせず、ボトムエンドまで電流供給を完璧にする事で、深い表現力と心躍るグルーヴ感を両立しました。
■新型Type-R回路採用
電圧増幅には、ハイゲイン対GNDシングル単段増幅Type-R回路を新たに開発しました。もちろん、アンプ動作に関わる全ての抵抗に、ネイキッドホイル抵抗を惜しみなく投入しています。
■GND切り替え方式のセレクター
P-3の重要なポイントであったGNDまで切断するセレクターをA-3にも採用しました。多くの再生機器を接続した場合に生じるGNDループによる音質劣化を排除します。リレーには最上級グレードのRSRカスタムリレーを採用しています。
■抵抗切り替え式ボリューム
最もシンプルで、最も音源から鮮度を奪わない、抵抗切り替え式ボリュームを採用しています。もちろん、RSRカスタムリレーとネイキッドホイル抵抗を全面採用。考えうる最高グレードのボリュームです。
■GNDアンカー
左右チャンネル電源部のGNDを、セラミックワッシャーで絶縁された左右サイドメタルに接地。GNDアンカーとして機能する特別な筐体構造を採用しました。開放感とローエンドのグリップ感を高い次元で両立しました。
■超強力電源トランス
メイン用に、700VA未含浸トロイダル電源トランスを左右2個使用。さらにコントロール系電源トランスを含む3電源トランスを1筐体に詰め込みました。また、磁力線が基板に並行になるように、全て垂直にマウントされています。
■ハイスピード無帰還電源
整流コンデンサには特別に選別された僅か470μFの高耐圧小容量低倍率箔フィルターコンデンサを採用。その使用本数で容量を最適化し、電源トランスの負荷を軽減する事で、超強力な電源トランスの実質レギュレーションをさらに向上させています。また整流ダイオードには、許容突入電流値が強化された最新スペックのSiCダイオードを採用。考えうる最強かつハイスピードな電源構成です。また、2つのメイン電源トランスの電源スイッチとして、音質の優れた大型パワーリレーをそれぞれ独立して2個、無固定で配置しています。つまり、フロントパネルの電源スイッチはコントロール系サブトランス専用です。大電流接点である電源スイッチを電源トランスごとに独立させる事は、音質的に非常に重要です。
■銅製バスバー兼用ヒートシンク
メインヒートシンクには、軽量小型銅板製ヒートシンクを採用しました。このヒートシンクはキャンタイプトランジスタへの給電バスバーを兼ね、またキャンタイプトランジスタの端子はバスバーを貫通し、直下の基板に直接マウントされます。キャンタイプトランジスタの欠点でもあるワイヤリング配線を排除し、インダクタンス成分に起因する不安定さを払拭すると同時に、絶縁シートがデバイスをダンプすることによる音質劣化をも排除しました。また、ヒートシンクがシャーシから物理的に独立する事による解放感や透明感など、音質的な効果も絶大です。さらにA-3では、電源基板とアンプ基板をバスバーヒートシンクで連結してブロック化する構造部材をも兼ねています。まさに、一石四鳥のヒートシンクです。
■無固定構造
アンプブロック、各端子、ACインレット、トップカバー、ボトムカバーは全て無固定化されています。特にアンプブロックは、チタン製スライダーによる3点横滑り構造を採用。電源トランスの有害な振動から逃れながら、自らの固有振動も開放します。
■ボリュームバイパス機能
XLRとRCAのそれぞれ一系統は、ゲインを22dBに固定して出力するボリュームバイパス設定が可能です。AVプリアンプの出力をつなぐ事で、AVパワーアンプとして使う事ができます。
■複数台連結機能
3.5Φステレオミニプラグケーブルを繋ぐ事で、複数台の連動(ボリューム等の同時コントロール)が可能です。プライマリーとセカンダリーに設定することにより、プライマリーの状態に全てのセカンダリーが従います。さらに、セカンダリー側はプライマリーのボリュームとの差分を付けることが可能です。この機能により、例えばデジタルチャンネルデバイダーによるマルチアンプ構成における音量コントロールがDA変換後に可能になります。もちろん、コントロール系GNDフローティングにより、連結によるGNDループ等の問題も生じません。
■REC OUT機能
オープンリールデッキやデジタルレコーダーを接続するための、REC IN/REC OUT端子を設けました。XLRケーブルあるいはRCAケーブルで接続可能です。
仕様説明
入力 |
BAL.3系統 / UNBAL.3系統 |
出力 |
スピーカー1系統 |
REC OUT |
BAL.1系統 / UNBAL.1系統 |
VOL. バイパス |
BAL.1系統 / UNBAL.1系統 |
最大出力 |
120W×2(4Ω) |
全高調波歪率 |
0.27%(8Ω 1W) |
周波数特性 |
2Hz 〜 200kHz(±3dB 8Ω 1W) |
入力感度 |
480mV |
最大ゲイン |
33dB |
S/N比 |
110dB |
電源電圧 |
AC100V 50/60Hz |
消費電力 |
180W/86W(無信号時) |
最大外形寸法 |
本体: 454(W)×184(H)×407(D)mm(スパイク含む) |
質量 |
約31kg |
付属品 |
リモコン、スパイク、スパイク受けボード、スペーサー、電源ケーブル |
メーカー保証 |
1年 |
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。