LP 時代最高の名演と謳われたアンセルメ/スイス・ロマンドによる、
色彩感溢れるファリャの名作バレエの決定盤。
[基本情報]
- 品番:ESLD-10003
- 仕様:アナログLP
- レーベル:DECCA
- ジャンル:管弦楽曲
- 厚紙シングルA式ジャケット
- 180g重量盤
精緻で色彩的な演奏で一時代を築いた名指揮者アンセルメ
スイスの名指揮者エルネスト・アンセルメ(1883-1969)は、ディアギレフ率いるロシア・バレエ団の指揮者として、ストラヴィンスキー「兵士の物語」「うぐいす」「プルチネルラ」、ファリャ「三角帽子」、プロコフィエフ「道化師」、サティ「パラード」などの20世紀前半の重要作を次々初演し、また何よりもスイス・ロマンド管弦楽団の創設者(1919年)にして音楽監督としてこのオーケストラを世界的な存在に育て上げたことで知られています。
1946年から専属契約を結んだデッカ・レーベルへの膨大な録音を行い、フランス音楽、ロシア音楽、20世紀音楽、そしてドイツ・オーストリア音楽までを網羅。その中には、優れた録音技術(モノラル時代は ffrr=full frequency range recording 広 帯 域 録 音 ⇒ ス テ レ オ 時 代 に は ffss = full frequency stereo sound)と相俟って、LP時代に高い評価を得たものが数多くあります。
アンセルメ極めつけのスペイン物
当アルバムは、数多いアンセルメの録音の中でも殊更評価が高く、LP時代を通じて「三角帽子」の代表盤とされていた歴史的名盤。1961年の録音で、この曲の初演者アンセルメにとって1952年のモノ録音以来の再録音であり、デビュー当時のテレサ・ベルガンサを起用している点も話題となりました。ステレオ期のアンセルメ録音を一手に引き受けたプロデューサーのジェームズ・ウォーカーとデッカのステレオ録音の生みの親であるロイ・ウォレスが組んだ名録音。歌劇「はかなき人生」の間奏曲と舞曲は初出LPにカップリングされていたものです。
デッカが愛用した伝説の名ホール、ヴィクトリア・ホールにおける名録音に
アンセルメとスイス・ロマンド管弦楽団によるデッカへの録音は、基本的にオーケストラの本拠地であったジュネーヴのヴィクトリア・ホールで行われました。19世紀にジュネー ヴ駐留のイギリス総領事によって建立されたこのホールは、優れた音響を誇る上に、レコーディングにも最適でした。デッカによる初めてのステレオ録音は、1954年5月13日にこのヴィクトリア・ホールで収録されたアンセルメ/スイス・ロマンドによるR=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」で、それ以来、この伝説のホールで幾多の名録音が生み出されたのです。
日本では、「三角帽子」は、イギリス・オリジナル初出盤とは違う、ゴヤの絵を使ったジャケットで長らく親しまれていましたが、今回はイギリス初出盤で使われた、夕暮れの広場 にたたずむダンサーの絵によるデザインを採用しています。
現在考え得る最高の状態でアナログレコードに
今回のアナログレコードは、オリジナルマスターより「 Esoteric Mastering」にて、新たにアナログレコード専用のマスタリングを行いました。入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DAC とMaster Sound Discrete Clock、MEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用し、徹底して高音質化を目指したマスターを作成しました。
アナログ・カッティングは、ミキサーズラボ社にて、アナログ最盛期の名機、ノイマン社製カッティング・レース VMS80を使用しました。同機はアナログレコード最盛期に西ドイツで製造され、現在日本国内では2台しか稼働していません。
ミキサーズラボ社のご協力を得て、カッティングルームに「Esoteric Mastering」の機材を持ち込み、出力をノイマン社製カッティング・コンソールSP79Cにダイレクトに接続。コンソールのイコライザーを使わずに、「Esoteric Mastering」サウンドをそのまま、カッティング工程へ送り込みます。
カッティングは、ミキサーズラボ社のカッティング・エンジニア 北村勝敏氏。匠の手腕をマスター盤に注ぎ込んで頂きました。現在では、レコード・プレス用のマスター盤カッティングのみで、試聴のためだけにラッカー盤をカッティングする事は稀ですが、エソテリックでは音質を追及するため、コンソールへの伝送方式を変えながら複数のラッカー盤を作成しました。
作成した複数のラッカー盤は、エソテリッ ク・マスタリング・センターへ持ち帰り、ESOTERICのアナログターンテーブル Grandioso T1 で試聴・音質確認を行い、最適な伝送方法を決定してます。徹底してアナログの音にこだわりを込めて作成し、オリジナルマスターのもつ情報を伸びやかなサウンドでアナログレコード化することに成功しています。
余すところなく捉えられたスペイン音楽の色彩感(初出LP評より)
「ステレオ初期からこの名演として知られた演奏である。《三角帽子》はアンセルメ自身が初演した作品であり、生命感あふれるリズムや、巧妙な語り口と起伏ゆたかな展開力、そして鮮やかな陰影と色彩感など、これ以上の演奏はないだろうと思われるほどに堂に入った名演になっている。野趣にとんだ民族色を実に生き生きとダイナミックに、しかも、ファリャの音楽の詩情を忘れることなく洗練されたタッチで描いており、若きベルガンサの独唱も聴きものである」(音楽之友社『クラシック名盤大全 管弦楽曲編』、1998年)
[収録曲]
マヌエル・デ・ファリャ バレエ音楽「三角帽子」
[Side 1] |
第1部 |
[1] |
序奏 * |
[2] |
午後/粉屋の女房の踊り(ファンダンゴ)/ぶどう |
第2部 |
[3] |
近所の人たちの踊り(セギディリア) |
[4] |
粉屋の踊り(ファルーカ)* |
[Side 2] |
[1] |
粉屋の踊り(ファルーカ)*/代官の踊り/終幕の踊り |
[2] |
歌劇「はかなき人生」 間奏曲と舞曲 |
テレサ・ベルガンサ(メゾ・ソプラノ) *
スイス・ロマンド管弦楽団
指揮:エルネスト・アンセルメ
[録音]
録音 |
1961年2月、ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホールにおけるアナログ収録 |
LP初出 |
SXL-2296(1962年) |
日本盤LP初出 |
SLC-1138(1962年6月発売) |
オリジナル・プロデューサー |
ジェームズ・ウォーカー |
オリジナル・レコーディング・エンジニア |
ロイ・ウォレス |
[アナログレコード]
プロデューサー |
大間知基彰(エソテリック株式会社) |
アソシエイト・プロデューサー |
吉田譲(エソテリック株式会社) |
リマスタリング・エンジニア |
東野真哉(エソテリック株式会社) |
リマスター |
2023年7月エソテリック・マスタリング・センター
「Esoteric Mastering」システム |
アナログレコード・カッティング |
北村勝敏(株式会社ミキサーズラボ) |
解説 |
浅里公三 諸石幸生 |
企画・販売 |
エソテリック株式会社 |
企画・協力 |
東京電化株式会社 |
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