トランスの唸りを解消するDCサプレス機能搭載
商用電源に含まれる直流成分を抑制し、トランスの唸り※1を強力に抑えるDC サプレス機能搭載 。 商用電源に混入した直流成分を検知しDC Sensorランプで視認可能な他、 直流成分のレベルに応じ明るさが変化。
※1トランスの唸り:電源トランスの唸りは高性能トランスと言われる トロイダルコアトランスやRカットコアトランスに多く、 ドライヤ、ホットカーペット、便座ヒータ、ハロゲンヒータなどの影響を受けやすいとされています。 (直流成分以外が原因となるトランスの唸りは本品では低減できません)
特徴
DCサプレス回路
Crystal H1Pのメイン機能は、商用(AC)電源に含まれる直流(DC)成分を検知、抑制し、オーディオ機器に内蔵されるトランスの唸りを抑制するものです。 主要回路構成はブリッジダイオードを電源両ラインにそれぞれ配置。ダイオードの順方向電圧(Vf)特性を利用することで、ダイオードの導通期間がDC成分のレベルに応じて変化しDC成分を抑制しています。 ダイオードはVfが大きい方が効果は高く、同製品では信頼と実績のある新電元製を採用しています。
また、DC成分検出回路で検知されたDC成分は、レベルに応じてDC Sensorランプの明るさを変化させます。
M.I.S. Mechanical isolation system メカニカル・アイソレーション・システム
Crystal H1Pを構成するボディは、TOPカバー/BOTTOMシャーシ/サブシャーシの3パーツで構成。
インレット、コンセント、基板に至る全てのパーツをサブシャーシに搭載し、外装ケース(TOPカバー、BOTTOMシャーシ)から独立(宙吊り)させることで、電源タップに影響をおよぼす外部からの不要振動を減衰します。
TOPカバーとサブシャーシの結合部には、従来チタン製スペーサを採用していましたが、Crystal H1Pには超低周波から超音波領域まで減衰可能な制振合金:M2052※2スペーサ(非磁性体)を採用し、不要振動の減衰をより高次元なものにしています。
更にM.I.S.をより効果的なものにするため、大型のコンセントプラグやインレットプラグが挿入された場合でも、外装ケースにプラグが触れないよう適切な距離感を保って各パーツがマウントされています。
※2 制振合金:M2052
国立研究開発法人物質・材料研究機構[NIMS](旧:科学技術省材料研究所)が1995年に特許(特許番号:第2849698号)を出願した合金。 Mn(マンガン)73% +Cu(銅)20%+Ni(ニッケル)5%+Fe(鉄)2 % からなるMnベースの合金で、振動負荷を受けた際、合金内に双晶活動(発生・消失・移動)が起こり、今までの合金にはみられなかった高い制振性を生むとされています。
剛性、堅牢性を高めた ボディ素材
3つのパーツから構成されるボディは、Force barシリーズに対し、TOPカバーをスチールからアルミへ、BOTTOMシャーシ、サブシャーシはアルミからスチールに変更され、約10%の重量アップが図られています。
加えて床(設置面)からの振動の影響を直接受けるBOTTOMシャーシは、前述の素材変更のみならず、厚さが1.6mmから2.0mmに強化されている他、振動吸収シートを内外ゴム製ハネナイトからTAOC製振動吸収シートに変更しています。 これらはM.I.S.による振動抑制効果を更に向上させると共に、ボディ全体の剛性を高め、セッティング時の安定感と高音質化に大きく貢献しています。
内部配線材
電源ラインの配線素材は、表皮効果を積極的に活用した単線素材を継承しつつ、4N無酸素銅から錫メッキ1.6mmに変更されています。
Crystal H1Pは、主回路がDCサプレス回路となっており、ブリッジダイオード2個をメインに構成されています。それは電源タップのインレット−コンセント間の丁度中央に位置し、電流のスムーズな流れを意識したストレート配線でロスなく電力供給する他、発熱を効率よく分散するため、ブリッジダイオードはヒートシンクに等間隔で配置されています。
信号系配線のレイアウトもまたM.I.S.によるサブシャーシの独立性(宙吊り)を保つため、外装ケース(TOPカバー、BOTTOMシャーシ)に触れないよう配慮されています。
更に、各パーツのハンダ付けは特殊成分配合されたものを吟味、選別して使用されており、自社特選マイスターが熟練した技術で作業にあたっています。
ユニークな連結機能と高いユーザビリティ
Crystal H1Pには実にユニークな電源タップ同士の連結機能が搭載されています。
Crystal H1Pのコンセントは1口となっていますが、連結コンセントを通じCrystal 3.1やCrystal 6.1と連結することでコンセント数の増加が可能になります。
Crystal 3.1やCrystal 6.1にDCサプレス機能はありませんが、上述の連結手法はCrystal H1Pが保有するDCサプレス機能をそのまま受けることができ、トランスの唸りが複数台に及んでいる場合などに有効な連結方法となります。
また、Crystal H1Pのインレットに同様の連結機能を利用しCrystal C1Pを接続すれば、今度はCrystal H1PがCrystal C1Pの保有する機能(サージアブソーバ/ノイズフィルタ)恩恵を受けることが可能になります。 Crystal H1Pの出力はサージアブソーバ→ノイズフィルタ→DCサプレスの複合機能を持って電力供給され、電源ノイズによる音質への悪影響を強力にサポートしてくれます。
今後もCrystalシリーズはバラエティに富んだ機能別電源タップが製品化される予定です。 他のCrystalシリーズとの連結は、個々のオーディオシステムにマッチした拡張性豊かな電源タップシステムの構築を可能にさせ、音質的、デザイン的にも統一された電源タップのシステム化に貢献します。
更にCrystal H1Pにはシリーズ同士の連結強度を高めるため、連結プレート※3が付属されています。他のCrystalシリーズとの連結に際し、互いのBOTTOMシャーシをネジ止め固定することで連結強化が図られます。
また、他メーカの電源タップでは見慣れないアース端子は、内部配線のアースラインおよび外装ケースに接続されており、アナログプレーヤなどの電源ケーブルにみられるアース線付コンセントプラグの接続先として有効に機能します。 ユーザニーズに応えたコンパクトでスリムなCrystalシリーズのボディは、狭いオーディオシステムの背面に設置されるアクセサリ群にとって非常に有益なものとなり、電源周りの配線をすっきりさせることが可能になります。
※3 連結プレート
Crystal H1PはForce barシリーズとの連結も可能ですが、連結プレートによる固定はできません。
デザイン
Crystal H1P(Crystalシリーズ)は、そのネーミングからイメージされるように、クリアさ、繊細さをコンセプトにデザインされました。 Force barシリーズの武骨で堅牢なイメージだったブラック基調からシルバー基調に変更され、TOPカバーを白色アルマイトfinishにすることで上質な質感へと一新しました。 BOTTOMシャーシ、サブシャーシもまたシルバー色で統一。特にBOTTOMシャーシはForce barシリーズから折り曲手法も変更されており、TOPカバーとの一体感を生み出しています。 また、放熱を必要とするCrystal H1Pにはヒートシンクが使用されています。そのヒートシンクカバーにはシリーズ初となるステンレス素材を採用。ヒートシンク素材のアルミ同様非磁性体であると共に、シルバーに光輝くその様は、同時にCrystal H1Pのプレゼンスを表すものでもあります。
TOPカバーに配置される製品型名も、繊細さや正確性を醸し出すため細線化を行い、モダンかつスタイリッシュなものとしました。 また機能アイコンも配置され、シンプルモダンを崩すことなく、製品が持つ電気的機能をわかりやすくアイコン化。
Crystal H1PにはDC成分の発生を表現したアイコンが準備されています。 コンセントやインレットが覗く窓枠は、シャーシ加工過程において使用する専用抜型をオリジナルで設計・製作。従来の角窓からワンサイズアップした丸角窓に変更したことで、M.I.S.の仕組みが垣間見えるチラリズム性も同居させています。
シンプルデザインのCrystal H1Pは、KOJO TECHNOLOGYらしいクリエイティブな電源アクセサリとして、「CREATIVE POWER ACCESSORIE」の称号を得ています。
音質傾向
「ハム音から解放される恩恵」
やっとの想いで自分の好みにセッティングされたオーディオ機材、ソース、音。音楽が静粛や無音状態を迎えた瞬間気になりだすトランスの唸り・・・。 はたまた無音状態になくとも初めから気になるBoon Boon!
残念な想い、落胆、嘆息、失望、消沈・・・。
何とかならないものろうか!
トランスに対する直流成分の混入は無用の長物。拒絶反応として唸り音に変換されているわけですが、ならばこの直流成分を抑制、回避すれば問題解決となるわけです。 Crystal H1Pはそんな悩みを開放するために製品化されました。 Crystal H1Pは前出のようにDCサプレスを機能させる回路構成としてブリッジダイオードを使用していますが、DC成分の抑制と共に供給電圧の電圧降下を発生させます。オーディオ機材にとってこの電圧降下は音質に対しても大きく影響をおよぼしています。 弊社ではこれまでのクリーン電源や電源タップ、ケーブルの開発、製品化によって、多くの技術的ノウハウや音質との関連性について研究がなされてきました。
故に単なる機能的なDCサプレスに留まらず、常に良質な音への拘りを持ちCrystal H1Pの製品化に踏み切っています。 電圧降下の副作用による音の減退、ガッツのなさ、よく言えばマイルド感が増したとも言えますが、元の出音に対し遜色なく振舞うと共に、s/nの向上等も伴い鳴らしてくれることでしょう。 また、Crystalシリーズの連結機能によるCrystal C1PやCrystal C2P2(サージアブソーバ+ノイズフィルタ)の活用は、ハム音からの解放と相まってオーディオファイルを新たな境地へ導いてくれます。
仕様説明
インレット |
3Pインレット(IEC60320 C14)×1口 |
コンセント |
3Pコンセント(NEMA5-15R)×1口 3P連結コンセント(IEC60320 C13)×1口 |
表示 |
POWERランプ/DC成分検出ランプ(レベルに応じ明暗変化) |
相数 |
単相2線アース付き |
電圧 |
AC100V(定格AC125V) |
容量 |
1,000VA |
周波数 |
50/60Hz |
外形 |
W59×H70×D363(384)[mm] (連結コンセント含む) |
重量 |
約1600g |
使用温度 |
0〜40℃ |
付属品 |
保証書/連結プレート1枚(取付用ネジ4個) |
※入力電源ケーブルは付属されておりません。