クラッシックなQUADのDNAと最先端技術を融合させた新世代インテグレーテッド・アンプQUAD3誕生
■Introduction
イギリス ケンブリッジシャーで創業したQUAD社は現在に至るまで名機と讃えられる多くのコンポーネントを音楽ファイルに届けてきました。QUADの社名は「Quality Unit Amplifier Domestic」の頭文字をとり、創業者ピーター・ウォーカーの家庭用の高品質なアンプ・オーディオ機器を造りたいという信念から命名されています。
時代を超越したQUADデザインと最先端テクノロジーの見事な融合を実現し、伝統的なアナログ愛好家にも現代のデジタル・オーディオ・ファンにも対応するインテグレーテッド・アンプ・ソリューションQUAD3を発売します。クラシックなエレガンスでモダンなテイストのQUAD3は、アイコニックなQUAD22プリアンプにインスパイアされ、最新のQUAD33や303と共鳴する新鮮で洗練された美しさを備えています。QUAD3は、その洗練されたコンパクトなフォルムとヴィンテージの魅力によりQUADのオーディオデザインと性能における豊かな伝統に忠実でありながら、現代の居住空間に溶け込みます。
■Modern design
QUAD3のインダストリアル・デザインは、すでに高い評価を得ているQUAD33のと同様、過去のデザインにさりげなくならったものです。QUAD33と同じ特徴的なオレンジに光るLCDストリップを搭載し、設定、パラメーター、オプション、ソース選択がすべて視覚的に表現され、直感的な機能フィードバックが可能です。
バックライトの明るさは環境や好みに合わせてカスタマイズでき、完全にオフにすることも可能です。クラシックなオレンジのアクセントは伝説的なQUAD 33の美学を反映しています。同時に手触りの良いデジタル・エンコーダーが、音量、ソース、サウンドを正確にコントロールします。
■Evolution of design
フラッシュ・マウントのロータリー・コントロールは22と33の両方の特徴でありオレンジ色をアクセントカラーとして使用することは、33に代表される1960年代のデザインの重要な部分でした。このようなデザイン的な反響とクラシックなQUADのDNAを豊富に受け継いでいることから、QUADは新しいインテグレーテッド・アンプに数字の「3」を付けQUAD3と命名しました。
しかしながら回路やパーツの選定はQUAD3はまったく新しい設計となっています。2024年版の33プリアンプはその伝統を受け継ぐアナログ専用でしたが、新しいインテグレーテッド・アンプQUAD3は内蔵DACによりデジタル・ソースとの接続が可能で入力端子にはHDMI、USB、Bluetoothが用意され、さらにフォノステージとヘッドホンアンプを搭載したQUAD3は、未来を見据えたオールインクルーシブなインテグレーテッド・アンプとなっています。
特徴
■Technology
オリジナルのQUAD33が発売された当時の音楽ソースは主にレコードが主流でした。その際にサウンドを微調整するコントロール機能としてバス・トレブル・スロープを備えていました。その後、CDを初めとするデジタルオーディオの普及に伴い、QUAD33の後継機であるQUAD34には、QUAD創設者ピーター・ウォーカーによって考案されたトーン・コントロール機能であるチルトコントロールが追加されました。新しいQUAD3には最新のコンピューターシュミレーションで解析したコントロール機能として、バス・チルト・バランス機能が搭載されています。
チルト・コントロールは周波数スペクトラムの両端を同時に調整し低音を減衰させて高音を持ち上げるか、低音を持ち上げて高音を1dBステップで減衰させる方法があります。基本的には700Hzを軸に可聴周波数帯域を回転(傾斜)させることで音量を変えたり、または音の音に色を加えたりすることなくサウンド全体のバランスを調整する機能です。
オリジナルのQUAD33ではバスおよびトレブルコントロールでトーン・バランスを調整していましたが、この方法では大まかな調整しか出来ず、本来の音楽ソースに忠実とは言えませんでした。新しいQUAD3ではバス・バランスコントロールに加え最新のチルトコントロールを搭載することにより、レコードからハイレゾ・デジタルファイルに至るまで今日私たちが聴く音楽ソースを、本来の音楽性を損なうことなく様々な音楽環境や好みに合わせてサウンド全体のバランス調整を可能にします。
■Modern sound menu
高性能なマルチソースオーディオシステムの心臓部として設計されたQUAD3は多彩な入力端子を備えています。デジタル面では、2系統のS/PDIF入力(同軸および光)と並んで、USBタイプBポートが最高仕様のハイレゾオーディオに対応します。さらにQUAD3は、AVシステムとのシームレスな統合を可能にするHDMI ARCポート(HDMI 2.1/eARC準拠)も装備しています。これにより、アンプとテレビをHDMIケーブル1本で接続でき、テレビのリモコンを使ってアンプの電源オン/オフや音量調整などが行えるという利便性が加わります。ストリーミング・デバイスからビデオ・ゲーム・システムまでテレビとそれに接続されたあらゆるものが、どんなサウンドバーよりも優れたサウンドのアップグレードを受けることができます。
スマートフォンやタブレットなどからのワイヤレス・ストリーミングに便利な高性能Bluetoothが搭載されており、aptX HDを含む複数のコーデックに対応し、Bluetooth 5.1に準拠することで最適な範囲と速度を実現しています。
アナログ・ソースは2系統のラインレベル・ステレオRCA入力に加え、ターンテーブル用のもう1系統を装備しています。アンプ内蔵のフォノステージは超低ノイズFETベースの設計でMMカートリッジの出力電圧に完璧にマッチします。一般的なインテグレーテッド・アンプに搭載されているフォノ・ステージとは一線を画すこのアンプはレコードの溝から掘り起こされたディテールを、魅力的な明瞭さと躍動感で再現します。
■Advanced digital engine
QUAD 3のDACステージは、32ビットSabreシリーズのハイスペックDACチップES9038Q2Mをベースとしています。
これにはESSテクノロジーのHyperStream IIアーキテクチャとTime Domain Jitter Eliminatorを最大限に活用する回路が搭載され超低ノイズと高ダイナミックレンジを実現しています。独自のクロック回路と電源回路がDACの性能を高めクラスAポストDACアクティブ・フィルターがQUAD 3のデジタル・ソースの優れた音質を可能にします。ハイレゾ対応は最先端であり、PCMは32ビット/768kHzまで、DSDはUSB経由で22.5792MHz(DSD512)まで対応します。フルMQAデコード機能を搭載し、さらにQUAD3はRoonオーディオ環境で使用できる「Roon Tested」認定を受けています。
リスナーはデジタル・オーディオ・データを352.8kHzまたは384kHzにアップサンプリングすることができ、5つのDAC再構成フィルター設定によりソース素材に適した音質調整が可能になります。USB、HDMI、S/PDIF、Bluetoothのいずれで接続しても、あらゆるデジタル・ソースがQUAD 3の「デジタル・エンジン」の卓越したクオリティの恩恵を受けることができます。
■High-performance analogue circuitry
QUADのエンジニアリング・チームは、クラス最高のパフォーマンスを実現するためにQUAD3の増幅回路と電源回路はクリーンシート設計を行いました。内部レイアウトには多くの時間を割き、信号経路の完全性を維持しつつ繊細な回路が互いに干渉されないよう設計されています。ディスクリートAB級出力段はCFB(コンプリメンタリー・フィードバック)トポロジーを採用しており、優れた直線性とアイドル電流が出力トランジスタの温度に依存しないため優れた熱安定性を確保しています。これには235VAの超低ノイズ・トロイダルトランスが供給され8Ωでチャンネルあたり65W(4Ωでチャンネルあたり100W)を出力します。
プリアンプ・セクションは、信号の純度を保つために可能な限りシンプルに保たれており、ライン入力信号は精密なアナログ・ボリューム・ステージを通過します。重要な各ステージには独立した低ノイズ電源が搭載されパフォーマンスを最適化し、アンプの細部に至るまで、表現力豊かなサウンド・クオリティに貢献しています。
■Core technology(主な技術)
- ・︎MQAフルデコード
- ・Bluetooth5.1
- ・チルトコントロール
- ・1系統 Phono(MM)
- ・カレントフィードバック・ヘッドホンアンプ
- ・バス/チルトコントロール
仕様説明
| Input Connections(入力接続) |
2系統 デジタル(Coax/Optical) 1系統 PC USB 3系統 RCA 1系統 HDMI ARC |
| Output Connections(出力接続) |
1系統 RCA(Pre Out) 1系統 Headphone 1系統 12V Trigger Out |
■Pre Amplifier Section
| Gain(ゲイン) |
0dB(Line) +46dB(Phono MM) |
| Input Sensitivity(入力感度) |
︎800mV(Line) 3.6mV(Phono MM) 460uV(Phono MC) |
| Input Impedance(入力インピーダンス) |
︎10K(Line) 47K/100pF(Phono MM) |
| THD+N(全高調波歪み率) |
<0.001%(1kHz,Line) |
| Frequency Response(周波数特性) |
20Hz - 20kHz(+/-0.1dB) |
Signal-to-noise ratio(S/N比) 〈A補正〉 |
>110dB(Line) >78dB(Phono MM) |
■DAC Section
| D to A Converter(DAコンバーター) |
ES9038Q2M |
| THD+N(全高調波歪み率) |
<0.001%(1kHz) |
| Signal-to-noise ratio(S/N比) |
>116dB(A補正) |
■Power Amplifier Section
| Gain(ゲイン) |
+29dB |
| Frequency Response(周波数特性) |
20Hz - 20kHz(+/-0.3dB) |
| THD+N(全高調波歪み率) |
<0.003%(1kHz) |
| Input Sensitivity(入力感度) |
800mV |
| Signal-to-noise ratio(S/N比) |
>110dB(A補正) |
■一般情報
| 最大消費電力 |
350W(スタンバイモード 0.5W) |
| サイズ(W×H×D) |
300×101×332mm |
| 重量 |
4.0kg |
| 付属品 |
ACケーブル、リモートコントロール(10A) |
| メーカー保証 |
1年 |
※製品の仕様、外観などは予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。