オリジナル・マスター・サウンドへの飽くことなきこだわりと、Super Audio CD ハイブリッド化による圧倒的な音質向上で確固たる評価をいただいている ESOTERIC 名盤復刻シリーズ。発売以来 LP 時代を 通じて決定的名盤と評価され、CD 時代になった現代にいたるまで、カタログから消えたことのない名盤を高音質マスターから DSD マスタリングし、世界初の Super Audio CD ハイブリッド化を数多く実現してきました。
当盤は、デジタル初期に発売され、その演奏・録音のクオリティの高さで知られるフィリップスの名盤からグリーグ作品を 1 枚にカップリングしての世界初 Super Audio CD ハイブリッド化です。
■「澄み切った北欧の抒情を十分に引き出し、清々しい空気感の中でたっぷりと歌いきっている」
◎ペール・ギュント/デ・ワールト
「デ・ワールト&サンフランシスコ響の魅力は、透明感のある音質と端正な表現になると言ってよいだ ろう。このグリーグにもその長所はよく発揮されている。全 25 曲よりなる全曲から 12 曲を抜粋したもの。よく知られた組曲よりもいっそう豊かな世界が広がり、幻想的な美しさが漂う。何よりも旋律が素晴らしく、北欧的な和声も印象深い。サンフランシスコ響の響きがうっすらと北欧風に染まる中、音楽は自然な流れをもって清新な情緒を深める。アメリングの歌唱も印象的だ。」
(『クラシック・レコード・ブック 1000 VOL.2 管弦楽曲編』、1986 年)
「デ・ワールトは作品のドラマ性を意識しながら、作為的にならず、余裕と柔軟性に満ちた表現を聴かせている。オーケストラ・コントロールについても、近年急速にその手腕を高めていることを裏書きしている。ポピュラーな音楽を安易に捉えず、全曲と個々の音楽の中でも確かな見通しを持ちつつ、清澄な響きの中に北欧的なロマンを歌いあげている。独唱のアメリングの好演も大変印象深い。」
『クラシック CD カタログ‘89 前期』、1989 年)
「デ・ワールト盤は、ノルウェーの民族性や自然の美しい抒情を聴かせる方向性で、劇音楽としての流れを保ちつつ、音楽の清澄な美しさを無理なく示している。しかしこの盤の魅力は何といってもソプラノのエリー・アメリングの純粋に透き通った極め付きの歌唱である。彼女の歌が聴きたいが故にここでこの盤を選んだと言っても過言ではない。最後の『子守歌』がまさに絶品で、涙を誘う静かな感動がある。」
(『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 管弦楽曲編』、1998 年)
「この演奏は組曲ではなく、イプセンの劇への付随音楽の第1幕から第5幕までの抜粋を順につないだ演奏である。むろん途中に有名な小品が続々と登場するが、劇の流れを想像しこの名曲を聴くのも一つの楽しみデ・ワールトは澄み切った北欧の抒情をこのオケから十分に引き出し、清々しい空気感の中でたっぷりと歌いきっている。合唱も参加するが、特筆すべきはソプラノのアメリングが清純に歌う『ソルヴェイグの歌』と『子守歌』だろう。透明で艶のある美声が純粋な心情をストレートに表現し、美しさを高めている。やはり歌唱が加わるとこの2曲の価値を再認識し、『子守歌』は涙なしには聞けない。」
(『最新版・クラシック名盤大全 交響曲・管弦楽曲編』、2015 年)
◎ホルベルク組曲/マリナー
「どの曲も北欧の気分をたっぷりとたたえた演奏で、マリナーらしく実に丁寧にまとめあげている。『ホ ルベルク組曲』のアリアなどは、特にマリナーの長所が発揮されていて、その練れた表現にひきつけられる。オーケストラの弦の合奏の力も極めて優秀で、輝かしい音色も美しい。」
『クラシック CD カタログ‘89 前期』、1989 年)