オーディオ逸品館 代表挨拶
2026年3月 逸品館代表 清原 裕介
ようこそLFJ2026 “オーディオ逸品館”へ。
多くの出展ブースの中から逸品館へ足をお運びくださり、誠にありがとうございます。
LFJ2026のテーマは、「LES FLEUVES(レ・フルーヴ) ― 大河」です。
逸品館はこのテーマに沿って、選りすぐった製品で音楽を再生します。
昨年パンフレット上で、音楽とは「人間がまだ言葉を持たなかった頃の”鳴き声による
感情の伝達”が楽器によって進歩したもの」だとご紹介しました。
音楽は言葉よりも豊かに感情を伝え、仲間達と共有することが可能です。
オーディオは、録音再生という技術により”時空を超えて”それを広げます。
良い音楽に触れることで私たちは孤独ではなく、豊かな感情に包まれている
ことに気づき、毎日はより豊かなものになります。
振り返って最近の音楽を考えた場合、“スマホ”や“イヤホン”という、プアなオーディオ機器と
“圧縮通信”という音源の粗悪さによって、本来あるべき“音の変化”によって
感情を伝達する力を失い、“言語”と“リズム”の力に頼り切っているように思えます。
ラップなどはその権化でしょう。
大河が“一滴の水”から始まるように、音楽は“一つの音”から始まります。
どんなに小さな音であっても、どんなに小さな変化であっても、
その繊細なひとつの音の動きを正確に伝えることからオーディオは始まります。
YouTubeの音楽番組【音楽に寄せて - 車田和寿】の中で、オペラ歌手である彼は
“一瞬にして会場の空気を変えられる素晴らしいテノール”を取り上げて、
それを“狼の遠吠え”と表現していましたが、良い音とは“一瞬にして人々の心を鷲掴む力”を持っています。
この強い力を持つ“一音”こそが音楽の源流であり、リズムや言葉はただの飾りにすぎないのです。
磨き込まれたこの“一音”が生かされ、それを追求している音楽が現代にあります。
それは“アニメ(映画)の挿入曲”です。シーンを効果的に盛り上げるために
使われるこれらの楽曲には“生楽器”が多く使われ、
現代で最もポピュラーなクラシックであると共に、壮大なシンフォニーです。
普段何気なく聞いている挿入曲ですが、高音質な装置で聞けば、
それが時間とお金をかけて作り込まれた素晴らしい“音源(音楽)”であると気づきます。
加えて、声優さんの声の質の高さにも驚かされます。
高性能なオーディオを使って“音の変化”だけに注目し、
演奏や録音の違いの聴き分けに集中するのではなく、
もっと心や体全体を使って“音楽そのものを感じ取って欲しい”
―それが逸品館の願いです。
常に多くのメディアが主張するような、高額な最新製品が“高性能”なのではありません。
“情報”としての音がどれほど良くなっていても、どれだけ鮮烈な音を出せたとしても、
“伝えるべき心(魂)”がお留守ならそれはただの形骸でしかありません。
価格にかかわらず演奏の素晴らしさを実直に伝えられるのが、良いオーディオ機器だと考えます。
今回のLFJ2026では、逸品館が選び抜いた様々な価格帯のオーディオ機器を用いて、
皆様と演奏家の“繋がり”をプロデュースできればと考えています。
“一音”から始まる、音楽の“大河”をLFJ2026でお伝えできれば、これほど嬉しいことはありません。